映画『アシュラ』レビュー

阿修羅のごとく

 凄まじい。韓国の架空都市「アンナム」で展開される汚職を描く本作は、物語が進むに連れてスプラッター映画顔負けの地獄絵図が展開されていく。自ら刃物を頭皮に擦り付けて出血させたり、氷のようにガラスを口の中で嚙み砕いてムシャムシャしたり、アイデア賞を上げたくなるような場面の多いこと。

 キャラクターの狂気を表現するためとは言え非現実的な血生臭い描写は誇張し過ぎな感もあるが、それでもオーバーアクトな印象を受けないのは、俳優陣による渾身の熱演と一切の妥協を許さない演出のおかげか。

 てっきり韓国の闇を告発した社会派映画化と思いきや、ぶっ飛んだ暴力はもはやファンタジーの域に達している。雑巾のように全身を限界まで絞って感情を吐き出す人間の執念たるや、まさに阿修羅のごとく。

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アシュラのポスター
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奥 直人

映画暦15年。思いのままをレビューにぶつけていきます。

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