別離

2012年04月07日公開
別離のポスター
8.1

どんな映画

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フリークレビュー
9

執着について考えた。

このレビューにはネタバレが含まれています。

いくつか疑問が残るが、見応えのある作品だった。
人間の強さと愚かさを描きながらも、サスペンス要素をはらんだ引っ張り方に、まんまと持っていかれた一作。
イランだからこそ生まれた作品ともいえるが、国境を超えて突き刺さるテーマで貫かれている。

優等生的にいうと、「誰の気持ちもわかる」という感想になると思う。
が、個人的には、登場人物によって、かなり共感の傾斜がかかった。

劇中の人々は誰もが罪を犯していて、その理由も事情も描かれている。
ここで、各々が執着するのが「信仰」であり、「プライド」であり、「愛情」であり…。
観る者は、彼らの執着に自らを試されることになる。
誰の思いに寄り添うか、誰の言動に憤るかで、自分の執着が浮き上がってくるのだ。

ちなみに、私が憤りを覚えたのは、家を出た妻のシミン。

そう考えると、ちょっとした「鏡」のような作品とも思える。
本作の中で鏡の役割を果たしているのが、娘のテルメー。
目を背けようとする大人たちに、すべてを真実のまま映し出す。
だからこそ、彼女が嘘の証言をするシーンに、一番胸が締め付けられた。

正直、想定外の重さに、鑑賞後はいささかぐったりしたが、
このくらいの作品を待っていた気がする。

で、残った疑問だが。
・争いの原因となった「金を盗んだのは誰?」という謎、明かされてました?

茅野 布美恵
茅野 布美恵のプロフィール画像
会社員
8

全然違う社会

 イランの人々がどのような暮らしをしているかなど普段全く考えもしなかったので、日本と同じようにお金に困っていたり介護問題があることに改めて驚いた。子供はかわいらしかった。

 日本と同じく夫婦はもめていて裁判所で調停をしたりするし、刑事事件も裁判で判決を下すなどきちんとした法治国家であった。しかし日本と大きく違っているところは神様の存在感が絶大で、信仰心がとても重要で生活と密接であるところだった。法律以上の存在となっている人もたくさんいるようであった。

 そんな信仰心が重要なモチーフとなるミステリーでもあり、とてもスリリングで面白かった。

古泉 智浩
古泉 智浩のプロフィール画像
マンガ家
10

傑作

自分が撮りたい、追求していきたいと願っている人間を描いていた。

非常に抑制の効いた素晴らしい演出だった。

ラストの終わり方が秀逸すぎる。

感嘆と羨望しかない。

完山 京洪
完山 京洪のプロフィール画像
映画人

『別離』のカラーレビュー

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