雨の日は会えない、晴れた日は君を想う

2017年02月18日公開
雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのポスター
6.5

どんな映画

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フリークレビュー
6

雨の合間の曇り空。

このレビューにはネタバレが含まれています。

「永い言い訳」に次ぐ、妻を喪くした男映画。デイヴィスがおかしくなっていく感じはよく分かる。身の回りのものを片っ端から分解していくのは「何が何だかわからなくなっている」からで、そのときのおれはひと月くらいの間、なぜ自分が寝て起きて食っているのかが分からなかった。

喪った妻が自分を愛していたか、自分は彼女を愛せていたか。「永い~」も本作も同様に、その疑念と葛藤し、それまでの自分と距離をつけようとする男を描いている。このテーマは普遍だ。それまで自分が属していた「社会」以外の人々と出会い踏み込んでいく様も変わらない。

そこに「破壊」が加わる。物理的にぶっ壊す。ぶっ壊している間に色々あるのだが、どうせなら家まで更地にして車暮らしになるまでぶっ壊して欲しかった。抑制の効いた演出も、序盤の伏線も、高圧的な義父の人物造形でさえ、物語を着地させるために配置されている感じがした。

それを最も感じたのは、終盤で明らかになる妻の不実。それは「愛せていなかった自分」を幾分か救ってしまうのだ。どこを見ても誰に訊いても「妻は自分を愛してくれていた」ことだけしか残っていない方が「なのに愛せていなかった(かもしれない)自分」に対する呵責は強くなる。

ラストの駆けっこ、デイヴィスが「戻った」ように見えた。決定的に変わったはずなのに。荷が下りたのではなく、そこから背負って進む日常が始まるはずなのに。画も選曲も巧みで美しいからこそ、優しい物語に収まった感じがする。作中のような曇り空は傷ついた人を「そのままでいいの」とくるみこんでしまう。誰もが闊達になる晴れた空の下、自分だけは少し狂ってしまったまま「仕方ねえ、行くか」と歩き出す方が、おれはそいつを好きになれる。

Daisuke O-oka
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VTRディレクター

『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』のカラーレビュー

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