ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー

2016年12月16日公開
ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリーのポスター
7.6

どんな映画

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フリークレビュー
9

No Name Heroes.

デス・スター。数々のSFメカの中でこれほどシンプル且つ強烈な存在があるだろうか。それはサーガの端緒から物語を動かす核となり、ep7でも同様の兵器が災厄を引き起こす。そして、デス・スターに挑む人々はフォースに憧れつつそれを備えぬ凡人達なのだ。

序盤からキャシアンの佇まいは不穏。ジンを手招きするソウさえ敵か味方か一目では分からない。ドレイヴンの指揮は焦りと怯えに満ちており、彼の元の反乱軍もいざというときには統率が取れない。そしてチアムートらを含めた反乱軍の皆が、重い「陰」を帯びている。

帝国vs反乱軍=アメリカvs周辺諸国、に見えてしまう。武力と経済と消費文化で世界を席巻する側と、それに抗う個々の諸国だ。チアムートが敵陣に切り込む際に唱える言葉を「アッラーは偉大なり」に打ち替えればどうだろう。そう戦ってる人間達が現実にいるに違いない。現代に、隠された問いを突きつけている。

艦隊戦も歩兵戦も「戦争映画」の重さと速さ。女性小隊長の指揮によるイオン魚雷攻撃からハマーヘッドランナーの特攻まで、戦術の流れとキレは今までのSWには無いカタルシス。メカも含め、あくまで戦闘を「肉体の作業」として描く。だからこそジンとゲイレンの再会と別離が重く痛い。凡人の苦闘をとことんまで描く。だからこそ闇から現れたベイダーがフォースを使う恐怖が半端無い。

サーガが備えるエンタメ性で「戦争」「歴史」の凄惨さは希釈される。しかし練られた人物造形がそれらを改めて濃縮して叩きつけてくる。勝利の背後には犠牲があり、歴史の背後には書き換えられた真実がある。戦闘の結末は序盤からのフリを見事に受けていて、震撼する。名も無き戦士たちはあの中で、せめて心は救われたのだろうか。彼らのそれまでの人生はどんなだったのだろう。こんなSWは初めてだ。

個人的には、サーガの中で一番の傑作だと思う。ep8はこれを越えられるのかな…。

Daisuke O-oka
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VTRディレクター

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橋向 昭一

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