攻殻機動隊 新劇場版

2015年06月20日公開
攻殻機動隊 新劇場版のポスター
7.5

どんな映画

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フリークレビュー
8

銀と藍の空の下。

このレビューにはネタバレが含まれています。

人間である以上、常につきまとう問い。【おれは何故、他の誰でもない「おれ」なんだ?】幾多の神話や古典が描いてきた問いと人生の相克は、日本発のコミックとアニメの粋を下敷きにして、おれたちを未来へとつなぐ。

素子とクルツ。双方とも女であり、戦場で生き、冷徹な頭脳と熱いハートを備えている。ARISEで応酬を繰り返した二人が今作冒頭で交わす言葉のつばぜり合いは、今までになく鋭い。

素子は「独立攻性部隊」クルツは「501機関」。双方とも各々の目的のために、組織を作り、率い始める。男たちに目的と居場所を与える女。うそぶきながらも女のために戦う男たち。怒涛の情報量に隠されているのは、極めて人間臭い冒険の図式だ。

その冒険はある意味「究極の自分探し」。戦争によって加速した電脳化と義体化。生まれたときから全身義体だった素子だからこそ、自分を作った基盤となる「戦場」に身を置いて初めて、自分を探し出すことが出来る。

生まれたときから義体、そして擬似記憶まで生成・注入できる環境の中、どれほど激しく戦えば、自分を自分のものに出来るのだろう。戦いを経て【素子は素子である】ことを目撃し素子に伝える。そんな他者を求めて、素子は「パーツ」と呼ぶ男たちを集めたのかもしれない。

絶えず進化する技術を横目で見ながら紡がれる物語は、まさに「今そこにある未来」。シリーズで描かれている【戦争】も本当にあるかもしれない。そして素子とクルツ、素子とバトーら、そんな出会いがおれたちにもきっとある。

EDテーマ「まだうごく」がジャジーに沁みる。「また 会える」と囁く。メカっぽいようで、実はとてもロマンチックな物語。聖地新宿の空は、S.S.S.上映の時と同じように、銀と藍の間で鈍く輝いていた。

手を伸ばしても「そこ」に行けるかどうか分からない。
約束なんてない。でも生きるしかない。
ゴーストが「生きろ」と囁くから。

Daisuke O-oka
Daisuke O-okaのプロフィール画像
VTRディレクター

『攻殻機動隊 新劇場版』のカラーレビュー

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