龍三と七人の子分たち

2015年04月25日公開
龍三と七人の子分たちのポスター
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どんな映画

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フリークレビュー
6

ジジイは隠れ蓑。

このレビューにはネタバレが含まれています。

人を笑わせる仕事をしている人を見て感心するのは「ストレートを選ばない巧さ」だ。例え、言い換え、飛躍、様々な手で、笑いという人間にとって最もステキな反応を楔にして、最も表現したいことを打ち込む。

「高齢化社会」なんて神妙に語られる一方で、手に負えないご高齢の方々も増えているようだ。企業にクレーム電話とか老いらくのストーカーとかコンビニの店員に粘着するとか。手に負えない。けど身近すぎるとシャレにならない。そこで「元ヤクザのジジイども」がハマる。

ヤクザだから手に負えないのかジジイだから手に負えないのか。その混ぜ加減が巧い。今までムリを言えずに生きてこざるを得なかった観る側にも、羨ましくさえ思えるフリーダム。それは年賀状を逆引きして仲間を集めたり、高齢者パスを携えてバスを乗っ取ったりという、人として押えるべき「ツボ」に支えられている。

少し深く掘ればシャレにならなさそうな要素をちりばめながら、全てを笑いのキッカケにしてしまう、軽やかさ。さすがの引き算。

半グレ集団と対峙して撃ち合うシーンは舞台でも観たい王道の「仏」ギャグ。深夜のオカマ街で脅威をやり過ごす賢ささえ可笑しい。ジジイどものミカジメ徴収なんてワビサビもいい所だ。

政府や役所や企業が堅くやってるようで実はウソにまみれた放漫だったりする。じゃあ市井の庶民が放漫で何が悪い。「気を配ってスマートに生きよう」なんて世情の奥に、悪い意味で日本人的な慇懃無礼さが隠れている本質を、御大は見抜いている。ジジイどもにぶつかれずして「世界で活躍」なんて鼻で笑われる。

居酒屋で煮込みをつまみに飲むビンビールのようにユルい。残らない。それでいい。そんな飲み口は、おれたちの日常になくちゃいけない。

Daisuke O-oka
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VTRディレクター

『龍三と七人の子分たち』のカラーレビュー

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