バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

2015年04月10日公開
バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)のポスター
8.1

どんな映画

エマ・ストーンファンとしての贔屓目抜きにしても、今回の役は本当に素晴らしかったな。横顔がすごく魅力的に見えたのと、エドワード・ノートンとの一連のやりとりと、ラストの笑顔と。最高です。

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フリークレビュー
9

こいつはおれたちのそばにいる。

このレビューにはネタバレが含まれています。

ドラムロールがリズムを生む。日常に音楽はなく、いちいち気分を奮わないと、些事さえ片付けられない。つまりこの映画は、他の誰でもない、おれの映画だ。あなたの映画だ。

ファンタジーから叙情性を注意深く排除している。高みのリーガン(M.キートン)に屋上のオバサンが突っ込むという演出の優しさの次に、帰還するリーガンにイチイチ驚きもしない歩行者という演出のドライさ。その緩急が、リーガン=観客を緊張感から解かないのだ。

リーガンよりも更に冴えないおれたちはどうだ。これから挑むと嘯き、チャンスを伺いながら、待ちの時間が長すぎて、どう踏み出せばいいのかさえ判らなくなっている。それさえも家族の所為にしたりする。そんな自省は映画を見終わってからやっとやってくる。それまでの間は、濃い造形の登場人物やワンカットの緊張感に引っ張られ、したたかに配置された小ネタで笑わされ、いつしか自分で自分を笑う視点に連れてこられるのだ。

無知を描く叡智。エンドクレジットに並んだ4人の脚本家は、次にリーガンがどう動くか、相手がそれにどう応えるか、ロールプレイも挟みながらガンガンに言い合って書き殴り合ったのではないだろうか。「お前もこうなんだ」と語りかける映画そのものに、一切の説教・啓発・悟りは無い。破れかぶれの人生さえもそのまま受け入れる、大きな受容があるだけなのだ。

そんな数日間の物語を、熱に浮かされたような、微分できない連続時間で緻密に練り上げる贅沢。物語の緊張感は現場の緊張感に通底し、劇場に入る前・出た後の自分の日常でさえ、ワンカット長回しのように感じさせる。この映画は、映画を人間の官能に直結させた。退屈で不安で苛烈で終わらない日常が銀幕にも現実にも横溢している。そして映画だけが「解放」を提供する。

映画は救い、人生は救わない。幕が下りた後、おれの背後にもあなたの背後にも、バードマンが降り立っている。

Daisuke O-oka
Daisuke O-okaのプロフィール画像
VTRディレクター
8

よかった

このレビューにはネタバレが含まれています。

 マイケル・キートンの超能力が一体なんだったのか、意味が分からないけど、でも面白い。超能力ができても実生活では何の役にも立たない。

 『ファイトクラブ』でヘナチョコだったエドワード・ノートンが偉そうにしていて、しかしそんな彼もインポだったりと人生の悲哀をにじませていてた。

 予告ではブリーフ一丁でブロードウェイを歩き回る場面でかっこいいソウルミュージックが流れていたけど、どこにもその音楽が使われておらず残念だった。

 劇中劇が面白そうだった。初日で主演が大怪我してその後の公演は払い戻しなのではないだろうか。お金が無さそうだったけど大丈夫なのだろうか。伝説的な話題になったから、その後は安泰なのだろうか。

 頭を狙って実弾を発射して血が出ていたのに鼻の怪我で済むのは、超能力のお陰なのだろうか。

 いろいろ気になった。

 昨日見た『シェフ』もネット炎上がテーマの一つだったが、この映画でも炎上していた。ハリウッド俳優は動画の再生回数に過敏なようであった。落ちても上がっても、どっちにしてもみんな発狂気味でテンション高かった。元気でよかった。悲惨な事やままならない事もいろいろあるけど元気を出して頑張ろう!という気持ちになった。

 ユナイテッドの一番スクリーンで見れて大満足。

古泉 智浩
古泉 智浩のプロフィール画像
マンガ家

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のカラーレビュー

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みんなのメモ

橋向 昭一

エマ・ストーンファンとしての贔屓目抜きにしても、今回の役は本当に素晴らしかったな。横顔がすごく魅力的に見えたのと、エドワード・ノートンとの一連のやりとりと、ラストの笑顔と。最高です。