トラッシュ! この街が輝く日まで

2015年01月09日公開
トラッシュ! この街が輝く日までのポスター
8

どんな映画

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フリークレビュー
9

Because this is right.

このレビューにはネタバレが含まれています。

「リトル・ダンサー」のS.ダルドリー監督が「シティ・オブ・ゴッド」のF.メイレレスを製作総指揮に迎え、リオのスラムの少年たちの物語を撮る。これだけで観ねばならない。「リトル・ダンサー」では貧困の中で周囲の同調圧力に抗う生命感が輝いていた。

リオのスラム、広大なゴミ捨て場、混血を重ねた顔立ちの少年たち、全てに混沌のパワーがある。それに冒頭からのビデオメッセージ、時制シャッフルのカットがミステリー感を加えスリルを生む。健やかな宣伝ポスターの見かけに比べ、そのエッジさはまさに「シティ・オブ・ゴッド」の強烈な陰影。

少年たちのジュブナイル物かと思いきや、一級品のサスペンス。持たない者たちは追いつ追われつどこにでもしなやかに潜り込む。持たずに記憶で情報を渡す。子供たちとは言え毎日を命の淵で生きていて、そこで鍛えられた賢さと強さを滲み出させる演出が確かなのだ。

M.シーンやルーニー・マーラが脇を締める有難さも特筆。子供を支えるだけでなく「子供に凌がれる」大人たちを、善の側であっても素直に演じられるのは、実は演技巧者なのだ。そして大人が、自分達を追う「悪」に囚われることで増す切迫感。脚本も王道かつ巧みだ。

スラム、ファベーラ、駅、様々な構造物の「立体感」もすごい。三次元で逃げ回る少年たちの動きが、エネルギーとスリル、広がる世界の大きさを感じさせて単純にワクワクなのだ。

なぜそこまでして追われ戦うのか。大人たちの問いに答える彼らの言葉が強い。そしてその言葉があるからこそ、彼らは知恵と体で道を切り拓く。まさに神がおり、言葉があって、光が世界が生まれたのだ。

そんな「原初」の大切さを核に持ち、激しい戦いの先に広がる彼らの未来。多言語が織り成すラップビート。全編に横溢する生命感が、都会の勤労生活で鈍った神経細胞を震わせる。
新年にふさわしい、未来を切り拓くエネルギーに満ちた一本だ。

Daisuke O-oka
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VTRディレクター

『トラッシュ! この街が輝く日まで』のカラーレビュー

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