寄生獣 完結編

2015年04月25日公開
寄生獣 完結編のポスター
7.6

どんな映画

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フリークレビュー
10

生命の潮流。

このレビューにはネタバレが含まれています。

田宮が新一に赤ん坊を渡すシーンで「潮流」のイメージが降りてきた。現実でも個々の命は戦っている。ある生命を断ち、取り込んで、自分の資源にして生きている。戦っても抗いきれず失われる命もある。それで生かされる命もある。パートナーを失った自分にとって、その事実がどう自分を生かしているのか、今はわからない。けれど、去った命が大きな流れの中にあり、目の前に降りてくるようなイメージが、赤子を抱く田宮の血染めの姿に重なったのだ。

「ごめんな。おれたちは、それでも生きていきたいんだ」と新一が後藤の亡骸を業火に投げ落とす。「おれたち」とは自分と自分が愛する者たちに他ならない。子孫が出来るできないは別として、愛するだけで相手には自分が宿る。宿った相手・宿した自分がそれぞれでなく一つとして、新たな生命になる。

「生命」を観る側に感覚的に意識させるうえで、新一と里美の交接は必然の重さを持つ。VFXやDIの色彩を越えて、二人の肌は確かな質量を備えて際立つ。それが「自分のそばにいる誰か」の質量を思い出させるのだ。

前編と同様かそれ以上に、観た後に感覚が増幅した。バーの奥のシェフの手先を見ると、その奥に彼らの人生が見え、グラスの向こうに、まだ見ぬ都会の夜の世界や、それが明けた後のどこかの地平が見えるような気がした。この感覚は貴重だ。

この経験は「いい」と思う。「パートナーの死を経験の踏み台にしているのか?」という自責さえ生まれるが、それはあえて封じよう。

時間は巻き戻せず、去った人の真意をその人自身の言葉で聞くことも、他の選択肢の成否を確かめることも叶わない。

けれどせっかくなので、失った分、増幅した知覚で精一杯生きられるだけ生きよう。知らぬ領域に踏み出してみよう。

死も生の一部なのだ。また会える。

おれが今このような状態にあるときに、この映画に出会えたことに、心から感謝する。ありがとう。

Daisuke O-oka
Daisuke O-okaのプロフィール画像
VTRディレクター
8

よかった

このレビューにはネタバレが含まれています。

 最近一番の喜びは赤ちゃんの喜んでいる顔を見るところで、特にいないないバーが受ける。なので、田村涼子が赤ちゃんを喜ばすことで人間性に目覚める場面はすごくグッと来た。赤ちゃんの放つ輝きは人間以外の生物にも伝わるのかなと思った。

 全体的にすごくよかったのだが、北村一輝が演説しているところをショットガンの乱射で銃殺する場面は、背後のモニターが無傷だったところが不自然だった。そのくらいなんとかして欲しかった。

 あまり見せないカーアクションよかった。焼却場もスケール感があってよかった。

 ミギーがいなくなるところはホロっと来た。

 放射能がとても毒性が高くて、それはどうなのかなと思った。エコのイメージはうざかった。

古泉 智浩
古泉 智浩のプロフィール画像
マンガ家

『寄生獣 完結編』のカラーレビュー

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