アメリカン・スナイパー

2015年02月21日公開
アメリカン・スナイパーのポスター
7.7

どんな映画

まだ投稿がありません。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
フリークレビュー
9

誰のために戦う?

このレビューにはネタバレが含まれています。

クリント御大は戦争を舞台にしながら、戦争以外にも通底する問題を削り出した。社会は期せずして人を駆り立てる。勉強にも仕事にも家庭にも。能力を伸ばし、義務を果たし、貢献せよと。

クリス(B.クーパー)は戦場で僚友を守る。おれたちは仕事で稼いで家族を養う。能力をアテにされ、仕事を続けて家族と会えない人たちには「おれがいないと回らない」という自負もある。タヤ(シエナ・ミラー)が「そばにいて。戦争には他の人に行ってもらって」とせがんでも、その自負が彼を、みんなを、戦場に職場に向かわせる。

戦場のような職場にも、職場のような戦場にも、向かう人々の心根に大きな違いは無い。能力があるほど「戦い抜いて現状を変えるのはおれだ」という気持が充実する。誰もがそうだ。しかし、その気持ちが挫かれる時が来る。成功のイメージは誰もが持つ。失敗の姿は千差万別。人は警告するが、社会は警告などしない。

戦場だからこそ際立つ生命感。共有できる仲間意識。一方、家族との離反やPSTDで自らを滅ぼす者もいる。その光景は敵味方の間で変わりはしない。社会はそんな人間達の「貢献」「努力」の上に胡坐をかく。本来「守る」ことと「戦う」ことは直結していたはずだ。それはおれたちが気づかないうちに、おれたちが依拠する歴史と社会に分断されている。経済と戦争は表裏一体で、ぐっと引いた目で見れば、戦場の兵士たちと職場のおれたちは同じ大きなパラダイムの傘の下にいる。

その銃で誰の元にどんな平和をもたらす?その製品を買ったどんな人がどんな幸せを得る?寝る間も削って家族と離れてそんなところで誰のために戦ってるんだ? 銀幕の向こう側からクリント御大に諭されているように感じる。

御大に機会があればお願いしたい。次はイスラムの側から描いて欲しい。御大が切り取る日本の現代社会も観てみたい。そしておれたちも、本当の意味での「戦い」を描いてみよう。

Daisuke O-oka
Daisuke O-okaのプロフィール画像
VTRディレクター
8

暗い気持ちになった

このレビューにはネタバレが含まれています。

 戦争の暗い側面をとても暗く描いていて暗い気持ちになった。イラク戦争やアラブとのアメリカは弱い者いじめをしているような印象があったのだが、アメリカ軍の兵士も手ごわいアラブの兵士に充分ビビっており、苦しい戦いをしていた。

 狙撃は、自分は安全な場所にいて敵をこっそり狙い撃つ行為で、どこか後ろめたい気持ちがありそうだった。彼が屋上から地面に降りて海兵隊と一緒に戦うところは、狙撃の爽快な感じがなく泥臭く危険で怖かった。

 命がけで戦い、合計4回もイラクに行っているのに、奥さんは気軽に文句を言っていて嫌だった。その批判はイラク兵の銃弾と同じレベルで彼を苛んでいるのではないだろうか。

 伝説と呼ばれ、喜ぶどころか当惑しているところが印象的だった。

 IMAXシアターで見たのだが、それほどド迫力ではなかった。普通の劇場でよかったのではないだろうか。

古泉 智浩
古泉 智浩のプロフィール画像
マンガ家

『アメリカン・スナイパー』のカラーレビュー

  • 10
  • 9
  • 9
  • 8
  • 8
  • 8
  • 8
  • 8
  • 7
  • 7
  • 7
  • 7
  • 6
  • 6
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  

こんな作品もレビューされてます

僕はイエス様が嫌いのポスター

また逢う日まで

  思いもよらぬ事件や事故に胸を痛めるにつけ、こんな世の中...

名探偵ピカチュウのポスター

ピカぴぃ・・ピカピカ

 ピカピい・・ピイカピカ 通じてますか? ケンワタ...