神様はバリにいる

2015年01月17日公開
神様はバリにいるのポスター
7.7

どんな映画

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フリークレビュー
7

みなさん笑ろてましたで、劇場で。

このレビューにはネタバレが含まれています。

二日酔いのテルちゃん(尾野真千子)の「のたうち」がしつこく可愛い。観客には先にテルちゃんを好きにさせる。その次に、観客に人間としてのアニキ(堤真一)に惚れさせる。好きにさせる順番が丁寧で、おれはその順番で好きになった。テルちゃんが滝つぼに飛び込むシーンで「好きになってて良かった…」と心底思った。

しかし残念なところもある。アニキの「秘訣」は全て「語り」で表現される。テルちゃんが誰かのために身をもって奔走し、アニキの「秘訣」を一つでも体感するまでが描かれていない。凹んだアニキに説教などしているヒマがあれば、テルちゃん自身に奔走して欲しかった。

そして「神様」がいるなら、テルちゃん自身がバリの人々や霊性にも触れ、アニキの薫陶のみでなく自分なりに「これかも…」と何かを掴む瞬間も欲しかった。結局はバリの鷹揚さと懐っこい人々に物語が甘えているような印象が拭えないのだ。

画のキレもいま一つ。あくまで「人に近く飾らずに」という意識は分からないでもないが、ポイントポイントでは「こんなとこで死ぬなよもったいない」と思わせるようなグッと来る風景を遠近問わず入れて欲しかった。

とは言え、テルちゃんの妄想、リョウちゃん(玉木宏)も含めて借金の額をネタにした掛け合いなど、序盤からテンポ良し。素直に可笑しくて、劇場で何度も声を出して笑ってしまった。もちろんおれだけではない。かなりの観客が笑い、固唾をのみ、反応がとても濃い。それだけで温かい「握力」のある映画なのだ。

そもそもコメディは難しい。(時には醜くさえ映る)不安定要素を、照れなく肚を据えて入れられるかどうか。そこに杉田(ナオト・インティライミ)が効いている。もちろん尾野真千子のコメディエンヌぶり、堤真一の振り切り具合には疑いない。関西弁は響きとイントネだけで笑いや情感を込められて、その緩急も李監督ならではの手腕。みんなで笑いに劇場へ。

Daisuke O-oka
Daisuke O-okaのプロフィール画像
VTRディレクター

『神様はバリにいる』のカラーレビュー

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