百円の恋

2014年12月20日公開
百円の恋のポスター
8.3

どんな映画

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フリークレビュー
8

フラッシュバック人生

このレビューにはネタバレが含まれています。

この映画のキモである「安藤サクラの超絶ステップワーク!」とか「安藤サクラの超絶シャドウボックス!」とか「安藤サクラの超絶左フック!」についてはひとまず置いといて、試合中に走るフラッシュバックの話をします。

常日ごろから、安易で説明的で情緒的なフラッシュバックが大嫌いな私ですが、やっと手に入れた試合のシーンに走るこの映画のフラッシュバックには何かひとかたならぬ感慨を覚えた。その何かが、あえて言葉にすることで見えてきました。
フラッシュバック自体は見た目ありきたりで、この映画で語られたこれまでの場面が、やはり説明的に遷移していくだけのものです。でもその場面を一つ一つ言葉につぶやくと、「スネかじりの日々」「初めての家出」「初めての恋」「初めての就職」「初体験」「初めての同棲」...これって一般的にはティーンが自己を確立していく年頃に5〜6年の歳月をかけて経験していくことじゃないですか。それを一子(サクラ)は32歳にもなって、32歳でようやく、32歳というほんの一年弱ですべて通ったわけです。一子の人生はこの32歳から。地べたに這いつくばった重い尻をやおら持ち上げたあの時、一子の人生は産声をあげたのです。
だからあの、たかだか一年に満たないフラッシュバックは「この試合に至るまでの経緯」を超えた、一子という人間の総括であり、つまり『ロッキー・ザ・ファイナル』で万感を伴って走った、シリーズ6作を総括するフラッシュバックと同価値なのです。

そんな一年に満たない全人生を渾身に走らせた一子は、みっともなく息を上ずらせながら「初めて闘い」「初めて負ける」。もうあと一子に残されてるのは「初めて勝つ」ことだけってとこが、否応なしに希望を感じさせるじゃないですかよ、おい!

田中 啓一
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詩人だねぇ
8

安藤サクラにシビれる

このレビューにはネタバレが含まれています。

 露骨な、こいつダメなんです、不幸ですという表現はあまり好きじゃなくて、この映画もそういうトーンなのかと思っていたら、ボクシングが始まってから大興奮。安藤サクラの華麗な蝶が舞うようなステップがとてもかっこよかった。体もビシッとしまっていて、さぞ本格的なトレーニングをしたことが偲ばれた。

 試合もリアルで、いいところなく負けるところも切なくリアルでよかった。そんなに甘いものではない、厳しい現実を描いていてよかった。勝てなくて泣くところもよかった。リングの暗い照明もすごくいい雰囲気だった。

 ほぼレイプで処女を奪われてしまうのは、岡田斗司夫さんの事件を思い起こさせた。そんな卑劣な男に人権を蹂躙されてしまわないように、女性にはぜひ護身術をマスターするか、危険を敏感に察知して走って逃げるくらいして欲しい。

古泉 智浩
古泉 智浩のプロフィール画像
マンガ家

『百円の恋』のカラーレビュー

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