フューリー

2014年11月下旬公開予定
フューリーのポスター
6.6

どんな映画

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フリークレビュー
8

静けさが刺さる。

このレビューにはネタバレが含まれています。

鉄の家、すなわち鉄の棺桶。冒頭数カットでそれが分かる。戦車だけではなく「戦場」の酷薄さが半端無い。泥と区別のつかない骸を戦車の列が何も無いかのように踏んで進む。

新兵が敵兵を見逃したから僚車が撃破される。子供を撃っていいのか?その一瞬の躊躇が惨劇を生む。そこから先は通過儀礼。戦車長ウォーダディー(ブラピ)と乗組員が新兵ノーマン(L.ラーマン)に撃たせ、殺させ、シゴキ抜く。それは決してイジメなどではなく、新兵だろうとその場で一人前になってくれねば自分が死ぬ、という切迫感で始まるシゴキだ。しかしそのシゴキは奪還した町で転調する。

解放の名の下に、町のドイツ女達に狼藉を働く男達。ウォーダディーもノーマンを連れ、アパートでドイツ人の母娘を見つける。新兵を男にする、占領と奪還の印をつける、自国の男共にさえ守られず捨てられた女達を救う…そんなお題目の中で露わになる、互いが背負う戦場の傷。ここでもウォーダディーは静けさの中で正気と狂気の間を綱渡る。不勉強を恥じるが、過去この視点で描いた戦争映画はあったのだろうか。

激戦を経た新兵とドイツ兵のやりとりが静かで劇的だ。これは映画なのか、歴史なのか、人生なのか、希望なのか。数多くの兵士達は、どうやって戦い生き残ったのか、戦場で起きたことを語らない。語る者を止めることもない。その一方で、度を越して守れ戦えと唱える人々の殆どが、戦場に赴いたことは無い。アパートとラストのシーンが、戦争を切り取る一つの視点を際立って明確にする。静けさが「人間の戦いはここまでだ」と訴えるのだ。

ウォーダディーも他の乗組員達も、血泥に塗れた戦場で目に見えぬ何かを背負い、新兵ノーマンも同じく背負う。そんな兵士達が地面を覆いつくすかのように斃れている。背負うものの重さを1発で描くワンカットは、こめかみに食らう鉄拳ほどに痛い。安易な泣かせなどここには無い。

Daisuke O-oka
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VTRディレクター
9

すごかった

このレビューにはネタバレが含まれています。

 戦争の怖さや悲惨さ、その中でベストを尽くす男たちの生き様が素晴らしく描かれていた。恋をした女の子も呆気なく死んでしまう。

 ドイツの戦車が弾が当たっても全然破壊できず優秀だった。戦車同志は直撃しても角度によっては跳ね返す描写が新鮮だった。やっとのことで破壊して逃げ出す兵士を容赦なく銃殺していて、ドン引き。他にも引く描写はたくさんあって、戦争は怖すぎる。戦争がなかったらみんなきっといいお父さんだったり友達だったり、ナイスガイな感じがにじみ出ていた。

 雰囲気の悪い食事の場面も面白かったし、最後のすごい消耗戦は恐ろしかった。

 新人が数日で一人前に成長する物語でもあった。戦車は狭い車内でチームワークで機動させないといけないので、間抜けが一人でもいると大変そうだ。

 「ここが家だから」と言って一台の戦車で何百人もの敵を相手に戦う事を選んだのだが、なぜそうしたのか、実のところ分からなかった。そして、ノーマンが戦車の下に隠れていたのを発見したSSはなぜ見逃したのだろう。どっちの疑問も、現実はすべて理屈で割り切れるものではなく、実際そんなこともありそうだな~と思わせる。

古泉 智浩
古泉 智浩のプロフィール画像
マンガ家

『フューリー』のカラーレビュー

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