LUCY ルーシー

2014年08月29日公開
LUCY ルーシーのポスター
4.6

どんな映画

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フリークレビュー
3

作り手が作った看板に、作り手が負けてる。

このレビューにはネタバレが含まれています。

人間の脳、常時使われているのは5%に過ぎない…全ての能力が覚醒したらどうなるか。テーマとしては面白い。予告を観ても期待は高まった。

何よりルーシー(スカヨハ!)がイイ。他の女優がやってもそれなりに楽しめるんだろうけど、バルセロナのクリスティーナからブラックウィドウまで演じきれる懐の深さと安心感が違う。全能を得ていくなかで表情が達観していく。「まーどうなってもいいわ。どうにかなるでしょ」という半ば投げっぱなしの表情に嘘がない。

それだけに、手術室で電話をかけるシーンにがぐっと来る。あそこで感情面を整理して、そこから後を全部クライマックスにしてしまおうというベッソン久々のスピード感は健在。全身の細胞を操作したり、携帯のデータ通信を可視化して読み分けたり、全能感を「観て面白い」ものにする工夫がイイ。強い女の全能感は「攻殻機動隊」の草薙素子に通じる。

けれど、ルーシーを中心とした物語のゴールがボケている。100%の脳覚醒の先を確かめるルーシーの個人的な欲望と、薬物CPH4の根源を叩くこと、2つのゴールがあるはずだが、後者がドンパチにすり替わって置き去り。途中までは良かった脳覚醒も「先」は陳腐なタイムスリップ。既視感アリアリの「宇宙の姿」はNHKスペシャルで十分。

「想像できるものは描けるけれど、想像を超えるもの=想像できないものは描けない」という現実の前に映画が屈してしまった。ルーシーが食い尽くすコンピュータだって、町一つくらいのデカさでいい。世界中のネットワークを乗っ取って催眠メッセージを出し、大勢の他人を操ってCPH4の工場とデータを叩かせてもいい。そして世界中の人間が持つラジオ、テレビ、スマホを介して「生命と愛」を訴えてもいい。ドンパチとタイムアタックがエンタメのケツ、という思い込みは、必然性がない限り捨てて物語を考えないと、エンタメ映画は進化しない。

Daisuke O-oka
Daisuke O-okaのプロフィール画像
VTRディレクター

『LUCY ルーシー』のカラーレビュー

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