GODZILLA

2014年07月25日公開
GODZILLAのポスター
7.2

どんな映画

まだ書きたいことはある。核の扱い、作戦の中身、芹沢の背景、日本の描写…。何より序盤のジョー(B.クランストン)とサンドラ(J.ビノシュ)のくだりは、歯を食いしばって涙を堪えた。今後も中途半端な新兵器とか出さずに、迎え撃つほうは頑張ってほしい。イェーガー出すんなら気合入れろよ。

キーワード
「ゴジラ」シリーズ
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フリークレビュー
9

超越者の帰還。

このレビューにはネタバレが含まれています。

本作を観る前に1954年(昭和29年)の第1作「ゴジラ」と合わせて、今作の監督G.エドワーズの出世作「モンスターズ 地球外生命体」を観ておくことをお勧めする。3.11を過ぎた夏に日本で公開されたのは天の配剤。「人間が入れなくなった場所」が生まれたこと、そこに敢えて踏み込むことが人間の生命感を削りだす様を克明に描いている。

怪獣は英雄でも悪役でもなく、人間を超越した「生物」だ。第1作で作り手は彼に戦争と科学の影を背負わせたが、今作ではその影に立ち向かう組織が登場する。登場人物たちの挑戦は、本作の第1作への挑戦に重なる。現代日本の状況を翻案した序盤は、リスペクトと皮肉を両立させていて巧みな匙加減だ。

本作での彼の位置づけは、多くの評の指摘どおり、金子修介監督・樋口真嗣特技の平成版ガメラ3作に近い。しかし彼がホノルルに引き連れてきた災厄は、恐怖を呼び起こして余りある。彼に人間の都合など関係ない。

共通言語を持たぬ彼に、造形と動きで語らせる技に舌を巻く。背びれを見せて太平洋を遊弋する彼を米軍船が挟む様には、彼への敬意さえ伺える。上陸前に一瞬止まって尾を翻す様が「知性」を示す。それが終盤の「殺陣」に説得力を持たせる。筋骨隆々な立ち姿、泳ぎだす身のこなしのしなやかさ、生物としての完全さ。

その咆哮は観る側を押しつぶす暴風。そして人間の「巨大な力」への憧れ。核を生み出しながら制御できない人類を叱咤する超越者さえ、想像で作り出す人間の矛盾。「彼」は帰ってきた。「彼」ともに生きざるを得ない人類の未来はどうなるのか。単なる破壊アクションを超えて、知性と生命への探究心を刺激するところまでは、今作はたどり着いたと思う。

問題はここからだ。続編があるなら、G.エドワーズ監督にはその独特の思索をさらに磨いて、怪獣映画の新たな次元を切り拓いてほしい。もちろん芹沢(渡辺謙)を語り部として。

Daisuke O-oka
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VTRディレクター
8

もっとゴジラと向き合え

このレビューにはネタバレが含まれています。

 ゴジラの叫び声がすごくかっこいい。映画館で見れてよかったし、できればIMAXで見たいと思った。ブルースリーの怪鳥音並の見せ場。

 破壊される都市や破壊された都市の美術が凄まじい。演出やカメラワークで誤魔化す気は一切なく、全部じっくり見せてやるという気概を感じた。静岡の廃墟の荒廃ぶりもめちゃくちゃかっこよかった。

 場面の切り替えの前振りと結果の構成がすごくかっこいい。

 ノイズが多い。ドラマの構成として、米軍がやらなくてもいいことをしてそれを回収するためにドラマを盛り上げても、「はじめっからやらなきゃいいだろ、バカ」としか思えず全然気分が乗らない。しかもそもそも放射能が怪獣のエサになっているのが分かっているのに、その作戦を採用するのがアホっぽい。「他に手段があるのか?」と言われても、ますます喜ばせる可能性の方が大きくないか?確実に被害は大きいだろうし。

 ムートーがかっこ悪い。日本の怪獣はなんであんなにかっこいいのかと逆に思うほどかっこ悪い。

 ゴジラが弱い。ムートー2匹に集団リンチ状態の時は悲しい気持ちになった。ゴジラの放射能が弱い。ムートーのメスを直撃したのに、さっぱりダメージを与えていなかった。強すぎてもつまらないけど、スカ勝ちする場面も見たかった。

 主人公のキャラが極めて薄い。本当に何の個性もない男で、彼と家族の普通の物語がなんの面白味もない。そこはもうあえてつまらなくしているのかと意図を邪推するほどつまらなかった。ゴジラやムートーに負けないくらいの人間力を持ったキャラが必要だったのではないか? 期待の渡辺謙はゴジラの前でうろたえるばかりだった。

 本来のタイトルは『ゴジラ対ムートー』だろう。『ゴジラ』単体のタイトルなら、人間とゴジラがもっと向き合うドラマを作ってほしかった。米軍も主人公もゴジラにベクトルが向いておらず、明後日の方向を向いていた。

古泉 智浩
古泉 智浩のプロフィール画像
マンガ家
9

ゴジラ先輩!マジかっこいいっす!

ゴジラ先輩!マジやべーっす!オレ一生ついていくっス!!!!

(ゴジラシリーズ、未見です。子どものときに対モスラをTVで観た記憶はうっすらある程度。キングコング対ゴジラ は途中で寝てしまいました)

IMAXのカウントダウンがゴジラバージョンだと聞いて、これは絶対IMAXに行かなくちゃと意気込んで観に行ってみたら、カウントダウンでテンションMAXになってしまいました。これ考えた人ほんと偉い!

ゴジラって敵なの?味方なの?って思ってました。そしたらゴジラさん、めちゃくちゃ大きくて、たぶん人間とかコバエ程度の扱いなんだもん!ビックリしちゃいました。そしてそれがたまらなくクール!

予告にもありましたが、ゴジラ先輩が海を泳いでるシーンでは、なんか軍の船的なのが並走してるんですけど、先輩はチラ見することもなく好きに泳いで気まぐれに潜ったりしてらっしゃるんですね。人間側もどうしようもなく監視してるってだけで、先輩に対して何も出来ない感じ。そうか、これが怪獣だ!わたしもう「ゴジラ」なんて呼び捨てに出来なくなってしまいました。先輩の決め技とかがすっごく綺麗に決まるし、咆哮はマジかっこいいですし、わたしはずっと口開けて観てました。

先輩と某夫婦の足下で、なんだか退屈な人間ドラマが繰り広げられていたような気はします。
でもまあ、いいじゃないですか。ゴジラ先輩には人間たちの愛とか夢とか希望なんてもの、関係ないんですから。

Azumi Miyaji
Azumi Miyajiのプロフィール画像
グラフィックデザイナ

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みんなのメモ

Daisuke O-oka

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Daisuke O-oka

まだ書きたいことはある。核の扱い、作戦の中身、芹沢の背景、日本の描写…。何より序盤のジョー(B.クランストン)とサンドラ(J.ビノシュ)のくだりは、歯を食いしばって涙を堪えた。今後も中途半端な新兵器とか出さずに、迎え撃つほうは頑張ってほしい。イェーガー出すんなら気合入れろよ。