チョコレートドーナツ

2014年04月19日公開
チョコレートドーナツのポスター
8.7

どんな映画

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フリークレビュー
8

素晴らしかった

このレビューにはネタバレが含まれています。

 男同士でいちゃいちゃしている様子は、正直気持ち悪いと感じてしまうのだが、それでも彼らが真剣にダウン症のマルコを大切に思っている様子には涙が出る。彼らには一切血縁がないのに強固な絆で結ばれているところが感動的だった。

 法律が、個人の幸福を一切無視して決まりのための決まりに陥っているのは本当に問題だ。120年前に作られた戸籍の法律のせいで、日本でも、無戸籍で困っている人がいる。DNA鑑定を法律に組み込むだけで簡単に解決できるのに一体なぜしないのか。アメリカはまだ、法廷で正々堂々と対決できるのに、日本はなんとなく先送りにしたり、面倒くさがっているような感じで何も変わらない。社会や法律や制度になんか期待するのがバカらしくなる。

 まさか、マルコがあんな悲惨な死に方をするなんてかわいそうすぎる。ポールが送った手紙が悲しかった。

 ダウン症の負の側面はあまり描かれておらず、そこも踏み込んでほしかった。負の部分があってもなお、親子の絆が強くあるという様子が見たかった。それでも素晴らしい映画だった。

古泉 智浩
古泉 智浩のプロフィール画像
マンガ家
8

涙目のウィンク。

私はゲイでもなく、ダウン症でもなく、差別に晒された経験がない。
だから、本当の悔しさや憤りや悲しみはわからない。
けれど、この映画のなかで彼らがそれらを体験していることがグイグイと伝わってくる。
それは、決して大げさな演技ではなく、こぼれ落ちる「人を愛おしむ」表情や、人生を選び取る時の戸惑いや、許す時のはにかみ…。
それらが、言葉を超えたセリフとして観客に投げられる。

私が一番突き刺さったのは、ポールの涙目のウィンクだ。
ダウン症のマルコを引き取りたいと最初から思っていたルディ。
一方、ポールには「ルディのため」というフィルターがかかっていたはず。
その彼が、わずか30分の面会時にマルコに送った涙目のウィンク。

タイトルの「Any Day Now」=いつか。
ルディと出会うことで、ポールには、その「いつか」がこの時すでに訪れていて、マルコにも「いつか」を贈りたかったのだ。
最初の敗訴で諦めなかったのもポール。
マルコからルディや、ルディからポールへ、ポールからマルコへ…。
この「愛の連鎖」を信じさせてくれる、一瞬のウィンク。

世の中に、「いつか」が訪れますように。
そして、その「いつか」に私が気づけますように。

茅野 布美恵
茅野 布美恵のプロフィール画像
会社員

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