アメリカン・ハッスル

2014年01月31日公開
アメリカン・ハッスルのポスター
8.1

どんな映画

第86回アカデミー賞で最多10部門ノミネートされるも、無冠に終わる

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フリークレビュー
9

役者が最高に楽しそうだ

2年連続俳優全4部門ノミネートの快挙は伊達ではない。

今作も嫉妬しまくるほど、役者が生き生きと楽しそうに躍動している。

そう、僕も自分の作品でだけ特別に輝かせたいと願う一人。

作品賞は穫らないだろう。俳優部門でも一つも穫らないかもしれない。

でも、もう十分珠玉の名作。

鑑賞中のにやにや顔だけは気づかれないで良かった。笑

完山 京洪
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映画人
7

ハッスルポイントを探せ

「ザ・ファイター」「世界にひとつのプレイブック」
どちらもものすーごく面白くって、その監督の新作、しかもキャストは前2作からそのまんまひっぱってきてる…となれば面白くない筈がない!
と、予告が解禁されたその日から楽しみで楽しみでしょうがなかった「アメリカン・ハッスル」。
さぁー!思う存分ハッスルするぞー!
と思いながら観ていたのに、どこにハッスルのピークを持ってこればいいのか分からないまま終わってしまいました…。
「ノレなかった」というのが正直な感想。ハッスルポイントはたくさんあるんです。だけど、最後まで手の内が見えない(詐欺ものですから当然そうなるんだけど)ので、ハッスルしきれないんですよ!
だけど「面白くなかった」なんてことは決してなく…。
それは役者たちが、これでもかと体当たり演技をハイスピードで繰り出しまくって来るからですね。この点についてはほんとに素晴らしいのひとこと。
全員ほんと凄くて、特にジェニファーローレンスちゃんとエイミーアダムス一騎打ちシーンは映画史に残る名シーンだ…とか思いました。
今思えばここでハッスルを全解放するのが正しかったと思います。

いやーほんとに役者魂って凄いですね。今回いちばん輝いていたのはエイミーアダムスでした。主演女優賞間違いないんじゃないかな。それとあとクリスチャンベールさん、あなたの演技をずっと観ていたいと思っていますので、どうか肉体改造をウリにするのは程々にしてください。ホラ…マッチョな役はなるべく続けて演じるとかさ…あと歯とかはどうにかCGで消してもらうとかさ…

Azumi Miyaji
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グラフィックデザイナ
9

ピンチはチャンス。

このレビューにはネタバレが含まれています。

利用される詐欺師アーヴィン(クリスチャン・ベイル)と愛人シドニー(エイミー・アダムス)。利用するFBIリッチ―(ブラッドリー・クーパー)。最初は調子よく持ちつ持たれつだけれども、妻ロザリン(ジェニファー・ローレンス)という変数が出てきてから俄然面白くなる。威勢良かったオトナたちの裏側は既に腐りかけ。体面や野望を支えきれそうにない面々の中で、一人だけ自分に正直なロザリンが光りまくる。

そんなに詳しくないので悔しいことこの上ないのだが、70年代(であろう)音楽の数々がめちゃくちゃカッコいい。サントラ欲しいな。衣装や美術も込みにして、バイブレーションが理屈抜きに分厚い。そして台詞の応酬。罵り合いの中に聞き逃せない情報や感情が込められていて頭脳フル回転。オトリ捜査の是非はあろうが、匿名の不特定多数がWEBで政治的な「正しさ」を不断に要求する空気の無い時代に、ブレずに突っ走る様は羨ましい。

カジノルームの輝きは捜査の成功を暗示する。その直後に引っ張り込まれるバックヤードは闇満載。御大いらしてたんですね(汗)。着飾った面々をくたびれたネルシャツで迎えるホンモノ。あかんシビれる。それもロザリンの悪ふざけが一因なのだ。感情が物語にアクションを生む。

バックヤードの御大、シドニーとロザリンの一騎打ち、窮地に立たされて気合を入れ直すアーヴィン、自分の人生の「ヤバい瞬間」に味わった苦さが口ににじむ。その後の期待で唇がにやける。あー面白い。

そして詐欺師二人が仕掛けた最後の仕事は、自分たちとFBIへの「誠意ある」落とし前。知恵がピンチをチャンスに入れ替える。これほど濃密な「人生」を追体験させてくれる映画はなかなか無い。良きホンは人生の反芻。この分厚さとバイブレーションを、日本映画は、そしておれ自身の生き方は、どうにも真似できないのか。カッコ良すぎる。もっかい観よう。

Daisuke O-oka
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VTRディレクター
8

すごくよかった

このレビューにはネタバレが含まれています。

 『世界にひとつのプレイブック』のすごくリアルで絶妙な目標設定が、この作品でも同じように最低限の成功を狙うといういい感じの作戦の立案がリアルでよかった。それでこぼれて失うものを覚悟している男気のようなものが感じられた。

 主人公は、奥さんの連れ子を愛人と同様かそれ以上に愛していて、市長も黒人を養子にしていたりと、それだけで他に何が悪くても充分以上に支持できる。それに対して、ブラッドリー・クーパーやエイミー・アダムスは、自分の幸福を追求しているだけで人間の幅が小さい感じがした。でもだから悪いとかではなく、そんな足りない部分のある人間が懸命に生きている様子をたっぷり描いている素晴らしい映画だった。

 FBIに対して「逮捕しやすい人間だけを狙っていて巨悪を逃している」と批判しているところがよかった。日本の特捜検事にも言ってもらいたい。

 音楽もすごく良かった。サントラ欲しい。

古泉 智浩
古泉 智浩のプロフィール画像
マンガ家

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Koshun Az

第86回アカデミー賞で最多10部門ノミネートされるも、無冠に終わる