風立ちぬ

2013年07月20日公開
風立ちぬのポスター
8.2

どんな映画

まだ投稿がありません。

キャスト
庵野秀明, 瀧本美織, 西島秀俊, 西村雅彦, 風間杜夫, 竹下景子, 志田未来, 國村隼, 大竹しのぶ, 野村萬斎
スタッフ
監督:宮崎駿, プロデューサー:鈴木敏夫, 音楽:久石譲, 主題歌:荒井由実, アニメーション制作:スタジオジブリ
キーワード
スタジオジブリ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
フリークレビュー
7

才能をまっすぐたたえる映画

このレビューにはネタバレが含まれています。

 ゼロ戦の開発者である堀越次郎の才能をたたえるための映画だった。彼が一点の曇りもない好青年として描かれていた。勇気あって親切で才能にあふれていて、ルックスがよくて姿勢が正しく胸板が厚くて、育ちもよく、美人の彼女もいてコミュ症でもない、常にキリっとしていて非の打ちどころが皆無の鼻もちならない人物!

 彼女はかなり瀕死の病弱だとは言え弱音は全くはかないし、血色がいい顔のままの美女、正直うらやましいばっかりだ。

 物語はあんまり盛り上がらず、感想としては普通だった。4分間の予告が素晴らしかったため、ユーミンの『ひこうき雲』で泣く準備をしていたのに、掛かったのは物語が全部終わった後だった。ゼロ戦のテスト飛行で掛かって、それと奥さんが山で死ぬ場面がクロスオーバーしたらどれくらい泣けたか分からない。しかしそれではあまりにあざといとか臭いからと言って避けたのかもしれない。

 だったら、そんな難病ものを題材になんかしなければいいのにと思った。戦闘機開発と恋愛があんまり噛みあっていない印象があった。

 物議をかもした庵野監督を声優として起用したのは、声がモサモサしていて絵にあんまり合っていなかったように思った。もっとモサい印象の絵だったら合っていたんじゃないかな。しかしこれでキリっとした声ならますます鼻もちならなくなりそうだから、いいバランスだったのかもしれない。

古泉 智浩
古泉 智浩のプロフィール画像
マンガ家
10

Stay Crazy.

このレビューにはネタバレが含まれています。

飛行機が夢だった。時代が厳しかった。戦争に求められた。恋人が難病だった。たまたま巡りあわせた互いの円の重なりは点ほどに狭い。しかし魂はそこを迷い無く矢のように突き進む。
道はこの足元からしか伸びていない。その道は「負けたことを今一度肝に銘じ、次こそ負けないためにどうするか」を考え抜くことだけから生まれる。二郎の生き様に、自らの未達を他の所為にする抑圧感は全く無い。
二郎は自らへの束縛を最大に生かして自由を獲得する。あれもこれも選択できる自由で無く、自分を究めて狭めた視界の中だけをどこまでも先に突き進む自由だ。滅びを飛び越すパイロットたちは、恨みも無く二郎に敬礼を送る。彼らも空飛ぶ自由を獲得したのだ。
自由の先は、凡ゆる意味での死かもしれない。それでこそその中で生命は輝く。そんな獰猛とも言えるテーマが、柔らかな色彩と光の中に巧妙に隠されている。普通に観れば、戦争時代の秀才技術者の悲恋と人生だ。実はそんな生易しい映画では無い。
反戦。諦念。肯定。様々な捉えられ方を覚悟の上で、全カットに美しさと暖かさを込めながら、ただそこにある生命を描くのみに集中したであろう監督に敬服する。
この映画を社会的・政治的観点で語るのは野暮だ。それはこの映画を投影した自分の心の中でやれば良い。この映画を観て「戦争はいけないと思いました」と書く子供を評価する大人は、衝動を忘れ誰かのイデオロギーに染まった人形なのだ。
この現代に、クレイジーでいろ。他の所為にせず、自分の中だけに衝動を認め受け止めて、純粋に戦え。その中で愛し抜け。この映画は「ただ、そう生きろ」と伝えている。
それが二郎とカプローニが最後に再会するあの平原だ。夢などと表現するには澄み過ぎているほどの地平。気がつくと涙が溢れていた。自分も「そう生きた」とさえ思わせる映像の力。僕はあの地平に立てるだろうか。
立とう。どうにかしてたどり着こう。

Daisuke O-oka
Daisuke O-okaのプロフィール画像
VTRディレクター
8

信じること、愛することを、肌で感じなさい。

私は、ジブリ・ファンではない。
本作の予告を観た時も、「ジーンとくるのは、ユーミンの歌のせいだ」と思ってたし。

でも、この映画の評価が高い理由がわかった気がする。
というか、感じられた気がする。

夢を信じることを許しなさい。
愛する人のぬくもりは、きちんと肌で感じなさい。
そして、もしそれができていなくても、それは環境や時代のせいではない、ということ。

今、世界が必要なことが、優しく強くちりばめられた映画。

好きなシーンがある。
主人公・二郎が、設計をする場面。
飛行機が飛ぶ光景を感じながら、計算する手を進める。
それは、まるで、私たちをスクリーンに引き込んでくれる映画のようで…。

夢を追いかけることが、それ以外のことを捨てることにはならない。
すべては、本当はひとつなのだと。
それを確信する幸せな手段が、肌で感じるということ。

だから、これは、思考を解放させて「感じる映画」なのだと思う。

茅野 布美恵
茅野 布美恵のプロフィール画像
会社員
4

誰か現れないんですか。「素人は絶対にダメです」って言える人。

入り口で「観賞後に開けてください」と渡された紙を開き、その中身を確認した瞬間、丸めてゴミ箱に捨てました。ひどい。なんだあれは。

アニメではやっぱり声ってめちゃくちゃ重要だと思うんですよ。鑑賞後数日経ってから、じわじわ腹が立ってきちゃって。「声以外は良かった」なんて生温いこと言えないですよ。

「朴訥とした感じの声」が主人公に合うのはわかります。だけど演技ができないとお話しになりません。今までのジブリように役者を起用していれば、わたしはユーミンの歌が流れる頃になってもムズムズしたまんま、なんてことにはならなかったのになぁ。
映画はそれのみでちゃんと観れるものになってないといけないと思います。
庵野監督を起用した理由なんて知ったこっちゃありません。

集中できませんでした。映画に入っていけなかった。
おそらく私はこの映画の意図するところやメッセージなんて正しく汲み取れていないんだろうな。くやしいな。きっと面白かったんだろうけど、よくわかんないな。

才能のある人間がたてまつられ、自分の作った作品がどう影響を及ぼすかってことがどんどん見えなくなっちゃって、誰の意見も耳に入らないまま(誰も意見出来ないまま)作品に対する愛だけで突っ走った結果の産物。まさに堀越次郎は宮崎駿でした。

ちょっと酷いレビューになってしまいましたが、腹が立ってるんですよ!
入り口で渡されたメッセージカードはほんとうに許さない。なんだあれは。

Azumi Miyaji
Azumi Miyajiのプロフィール画像
グラフィックデザイナ
10

もうやだ

このレビューにはネタバレが含まれています。

内面では、コンプレックスの表明と自己肯定
外面では西欧肯定と敗戦認識と日本人職人階級の表明
それらを全て出し、脚本構成をひっくり返し
実写で繋がらないところをやって見せて
王道の恋愛すら完璧にコントロールする

ホント聖書のような作品だ

なんですかこれ

しかも途中から涙止められませんでしたよ

魂を浄化したい

今は、巨匠が空けた椅子を取りに行く事だけ考えます

完山 京洪
完山 京洪のプロフィール画像
映画人

『風立ちぬ』のカラーレビュー

こんな作品もレビューされてます

凪待ちのポスター

heyheyheyboy いつのひにかまたしあわせになりましょう

 久しぶりに背中でも感情を表現する事ができる役者さんを見た...

7号室のポスター

じゃない方・・・

 日本の70年代のテレビドラマのような作品。 派手な事件は...

ガラスの城の約束のポスター

論理よりも心理(感情)

 ウディ・ハレルソンとナオミ・ワッツ。 ホームレスを演じ...