終戦のエンペラー

2013年07月27日公開
終戦のエンペラーのポスター
6

どんな映画

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フリークレビュー
7

勉強になった

このレビューにはネタバレが含まれています。

 特に何が面白いのか分からない映画だった。ドラマとしての面白味はそれほど高くなかった。日本人として天皇陛下が戦犯にされるなんて冗談じゃないと思って見ていたのだが、それほどそこがスリリングなわけでもなく、淡々と解決していた。玉音放送がレコードの再生だったと分かってびっくりした。それを守ろうと木戸さんが頑張っていたところなど面白かった。

 GHQがとても皇室に配慮して占領政策をしていて、皇室の権威は守られていたことも勉強になった。天皇陛下とマッカーサーが会う場面は大変おごそかでよかった。

 圧倒的だったのは焼け野原の東京の美術だった。日本を描いているのに日本映画ではあり得ないレベルの表現で素晴らしかった。80年代のひどい日本の表現のハリウッド映画を見ていたため、日本人が見て勉強になる映画になっていて驚いた。

古泉 智浩
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マンガ家
7

隠された「日本人」への問い。

このレビューにはネタバレが含まれています。

インディ製作でもこれほどの歴史大作が仕上がる。奈良橋陽子氏の辣腕と奮闘には畏怖さえ覚える。「パシフィック・リム」「ウルヴァリン・SAMURAI」、日本が内向きになっている間に、海外が日本を日本人以上の仕事で映画にしている。既に日本は日本人だけが描ける聖域ではない。どの描写も徹底して詰める明確な意志。そして海外に積極的に絡む日本人ほど、国、歴史、文化とは何かを考え抜いている。

天皇に戦争責任があるか否か。調査するフェラーズ准将(マシュー・フォックス)が会う近衛(中村雅俊)関谷(夏八木勲)の証言からは白黒がつかず、木戸(伊武雅刀)は天皇が降伏を唱えた一幕を語る。浮き彫りになるるのは「空気に同調してしまう」日本人の特性だ。

敗戦直後の東京は、容易に3.11の被災地に重なってしまう。外部の現実から目を逸らさせ盲従を強いる「同調圧力」は、鹿島(西田敏行)が准将に語る「信奉」と結びつく。日本の同調圧力は世界にとって災厄の素ではないか。痛烈な問いがある。

恋愛パートは不要だという意見が多い。そうは思わない。愛すればこそ、相手の歴史や民族の特性を考え抜く意志につながる。サスペンスが足りないという意見もある。准将が直面する、曖昧さの中に真実を隠す日本人の「闇」自体がサスペンスだ。史実と違うという意見もある。ならば史実を読もう。史実を捉え、翻案された理由を読み解くことも、映画と歴史を託されたおれたちの仕事かもしれない。

マッカーサー(TLJ)の到着早々の会話は、映画のゴールとマッカーサーの野心を一発で表現する匠の技だ。

准将と語り合うほぼ全ての日本人キャストが、英語で台詞を言う以上に「英語で演技をしている」。丁寧で聞きやすく堂々たる響き。やれば出来る。やろう。それが日本人だ。

准将が高橋(羽田昌義)に謝るシーン。そしてラスト。互いの禍根を脇に置き歩みだす二人の姿が、胸に刺さる。

Daisuke O-oka
Daisuke O-okaのプロフィール画像
VTRディレクター

『終戦のエンペラー』のカラーレビュー

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