プロメテウス

2012年08月24日公開
プロメテウスのポスター
6.2

どんな映画

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フリークレビュー
9

リドリー・スコットによる映画表現の革新

ジョルジュ・メリエスの『月世界旅行』に始まり、「映画の進歩はSFと共にあり」というのが持論。数々のSF映画が当時最先端の技術と創造性でもって、映画表現を革新してきた。この『プロメテウス』もその流れに連なる作品である。
『エイリアン』『ブレードランナー』…リドリー・スコットも「映画の革新者」の一人である。しかし意外にも「SF映画」を手がけるのは本作でようやく三作目。もっと多い印象があるかもしれないが、『グラディエーター』『ブラックホーク・ダウン』といった非SF作品でも巧みにVFXを駆使してきた事による錯覚である。リドリー・スコットはあらゆるジャンルの作品に、常に業界の最先端を走りながら挑み続けてきた。
30年ぶりのSFへの挑戦である本作はまさにリドリー・スコットの美学・映像表現の到達点と言える。圧倒的ビジュアルセンスと素晴らしい3D効果は、同じく革新者であるジェームズ・キャメロンの『アバター』をも上回る。
またご存知の方も多い通り、本作はリドリー・スコット自らによる『エイリアン』の前日譚である。しかし同時に「創造主」という題材は『ブレードランナー』への再訪とも言える。マイケル・ファスベンダーが演じるトリックスター的なアンドロイド、デヴィッドが実に素晴らしい。まさにリドスコSF映画の総決算(三本しかないけれども)。
しかし手放しに褒められない要素も存在する。B級映画的筋書きは上等(『エイリアン』も大作ではなかったし、その元ネタは『バンパイアの惑星』『恐怖の火星探検』)だが、辻褄合わせ以前に根本的な説明が足りていない脚本には賛否が分かれるだろう。
それでも尚、「映画表現の最先端」という意味で本作はSF映画の大傑作だ。説明不足な点も製作発表された続編で明らかになるに違いない。『ブレードランナー2』まで控え、70歳を超えた今でも最前線で戦い続けるリドリー・スコットの神業に酔いしれろ!

岸岡 卓志
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るろうに
7

重厚だった

このレビューにはネタバレが含まれています。

 人類の起源をたどるSF映画となっていて、久しぶりに重厚な本格SF映画に触れた感じで、頭が良くなるような気持ちよさがあった。しかしそこでエイリアン要素が出てくると急に頭が悪くなるような感じがして別の映画でよかったんじゃないかな。でもエイリアンありきの企画なのでそんなのはないものねだりだろうし、これ以上重厚になったら難しくて理解できなくなるかもしれない。ちょっと背伸びをして頭よさげな感じがちょうどいいのかな。

 主人公の女科学者が松金よねこみたいなキツネ面でまるで萌えられなかった。元々シガニーウィパーだったので、そういう路線なのかな。

 手術マシンがめちゃくちゃかっこよかった。父のガンの治療して欲しかった。術後のホチキスが非常に雑で心配だった。

 宇宙人が人類に対して丸っきり友好的じゃないところはびっくりした。しかし「そうだよな~」ととても納得した。

古泉 智浩
古泉 智浩のプロフィール画像
マンガ家
5

完成までの紆余曲折感が、作品に露呈?

企画が持ち上がって映画が完成するまでに「いろいろあって、こうなりました」という印象。
「エイリアン」の前日譚である意義が薄く、コピー押しされていた「種の起源」への追求もどこに着地したんだか…。
乗組員の感染経路にも疑問が残るし、それぞれのキャラクターの役回りが中途半端で、彼らが動いても物語が動かない機能不全に陥っている気がする。
そもそも、タイトルはこれでよかったんでしょうか?

制作過程で、「エイリアン縛り」がかえって邪魔になったんじゃなかろうか。
「本作の結びつきは控え目である」という監督のコメントが、エクスキューズに聞こえてしまう。
きっと、細かい設定は綿密につながっているのだとは思いますが、「ブレードランナー」のように、それを解き明かしてやるぜ!という気にさせてくれなかった。
映像の完成度が高いだけに、非常に残念。
手術マシンの発想と実演(?)は、かなり興奮した。

主演のノオミ・ラパスは、「ミレニアム」のリスベットの記憶が強烈過ぎて「こんなに存在感薄い女優だっけ?」と肩透かし。
シャーリーズ・セロンの使い方が、もったいなさ過ぎる!

リドリー・スコット監督、「やっぱ、エイリアンじゃない映画にしない?」と…言えなかったんでしょうかね。

茅野 布美恵
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会社員
3

感想駄文(単なる悪口)

このレビューにはネタバレが含まれています。

この壮大なプロジェクトを率いる齢(よわい)100にも届くかという爺ちゃんがメーキャップバリバリのしわくちゃ顔で、だってワシ死にたくないんだもん(不老不死を手に入れたい)という呆れた動機をポツリと口にした瞬間、ひじからズッコケた。俺は今までこんな幼稚な死に損ないに付き合ってきたのか...というガッカリ感。
『アイコ十六歳』をはじめ『スタンド・バイ・ミー』『ミツバチのささやき』など珠玉の映画たちから「人は死を認めることで人生が始まる」という根源的な教えを叩き込まれてきたわが映画人生において、これはコタエた。このご老体はその皺顔でまだ人生が始まってもいないのか。そんなもんで本当にこの重厚な物語は転がっていくのだろうか...。そんな脱力感が、それまでの記憶とその後の顛末を追う集中力を奪い、恐らくは多少の感動をともなっていたであろう“お戯れの犠牲者たち”の奮闘への興味もすっかりそがれてしまった。

まあそれは置いといたとして、またしてもイザとなったら“決死の自己犠牲”ですか。ダークナイトにアベンジャーズ、今夏の超大作は判を押したようにこれだ。見たタイミングもありましょうが、いいかげん飽きました。そもそも「人類の起源」をテーマとした作品で扱われる死生観が、お迎えを待つばかりの老醜の悪あがきと切羽詰った漢(おとこ)たちの自棄糞な玉砕魂という二極では少し薄っぺらくないですか?妊娠三ヶ月超で堕胎するというのもじつに教育上よろしくない。エイリアンを身籠ったリプリーの崇高さを思い出そう。

『パラダイス』という名の続編が用意されているそうですがノオミ・ラパス演じる魅力に乏しいヒロインはシリーズを連ねたところでシガニー・ウィーバーの様にはなれそうもありませんし、ここは潔くミヒャエル・ファスベンダーでスピン・オフというビジネスをお勧めします。

ところで、シャーリーズ・セロンはぜんぜん悪くないよね?

田中 啓一
田中 啓一のプロフィール画像
詩人だねぇ
5

脚本が粗雑すぎやしませんか。

誰もが感じると思うが、着いたばかりの異星でだね、正体不明のドーム内の空気が「地球と同じ」という分析が出たとたん「ウホーイ、ヘルメットいらなくね? オレ外しちゃうぜ!」(うろ覚え)って科学者はワイルド過ぎでしょ。まず「なぜ地球と同じ空気があるのか」を調査しないと危機管理としてダメでしょ。一人だけならお調子者ってことで我慢するが、次のシーンで調査団全員ヘルメット外してるのおかしいでしょ。みなさん超アタマいいエリート集団ジャナイノデスカ?

重箱の隅? いや、知的探求がテーマなのだから、せめて登場人物の行動くらいは説得力を持たせて欲しい。壮大なホラ話を納得させるだけのリアリティやディテールがおろそかで、ド素人の観客から「お前らバカだろ」とツッコミを入れられる、ザル過ぎる脚本はなんとかならんかったのか。

いろんな説明が欠落しているから、様々な解釈を弄ぶのが楽しみ方なのだろうが、前提が雑なせいで、映画の提示するミステリーに付き合う気には残念ながらなれなかった。しょせん謎のための謎。人類の創造主とか不死とかいうキーワードもずいぶん幼いし薄い。

あ、でも手術マシーンのくだりは面白かった。前半にいかにもあとで出てきますよとばかりにマシーンが紹介される演出は上手いとは思えなかったけど。

そして、切り離せない『エイリアン』との関連については、正直どれもこれも知りたくなかった。スペースジョッキーの正体とかエイリアンは実は○○○○アが作った生○兵○(っぽい)とか、そんな説明いらない。『エイリアン』も『ブレードランナー』も語られない部分があるからこそ作品の神秘性が広がり、後々まで語り継がれる伝説になった。知らなかればよかったこんなことあんなこと。レクター博士がこういう生い立ちだからこんな人になりました、みたいな説明が蛇足だったように、エイリアンは理由もなく、凶暴で恐るべき存在のままでいいのだ。

村山 章
村山 章のプロフィール画像
映画ライター
2

創造主を「創造」するには生半可な「想像力」では無理。テーマがズレている。

このレビューにはネタバレが含まれています。

そもそも「人間が(文明が)宇宙からもたらされた」というアイデアは好きじゃない。起源の全てを宇宙に求めてしまうのは「思考停止」じゃなかろうか。

エイリアンシリーズから現代までの十数年間は、科学の発達とネットによる情報の伝播、そして多くの映像作品で、共有知における「生命」「創造」というイメージを大幅に塗り替えた。この映画で描かれる異星人や巨大遺構の姿は既に旧いのだ。

異星人の姿もホログラム記録も宇宙船のコクピットも投影される航海図も、すべて人類が今までに出会ったデザインや技術の延長線上にある。「創造主」というからには、人類が出会ったことが無く、しかも一瞬で見て感じて理解できるようなものでないと納得できない。これは相当にハードルの高い作業だ。テーマの捉え損ねが旧さを際立たせてしまった。

そのうえ、クリーチャーはいつも通りのじれったいチラ見せ。そもそもクルー十数人を迎えるのが冷凍された異星人一体とフェイスハッガー一匹だけ。宇宙まで出かけてオバケ屋敷じゃ、冒頭のスケールがどんどん萎む。

生命の起源、というテーマなら、課題は「宇宙における人類の淘汰」だ。決して「老人の不老不死への欲」などという小ささではいけないのだ。神なればこそ、エイリアン・ウォリアーのような無慈悲かつ完全な生命体を作り出せる。彼らは何のために生まれたのか。何故人類は彼らに出会わねばならないのか。根源の問いと意味があるはずだ。

そしてその問いは、人類がこの地球上の資源のみから生まれたという前提があって、より深いロマンを備える。「宇宙から来た」という背景があれば、出会い繋がる理由はそれで事足りるからだ。「創造主」はより懐深きお方ではなかろうか。

「エイリアン4」で、ついにウォリアーの遺伝子を秘めたリプリーが地球に降り立つ。そこで敷かれた言い知れぬ恐怖、そして進化への期待を、この映画は受け継いでいない。

Daisuke O-oka
Daisuke O-okaのプロフィール画像
VTRディレクター
6

ファスベンダーがファッスーーーー…ってするシーンに1500円ぐらいは出した!

結構面白かったんですよ。
アイマックス3Dで観たのもあいまって、映像がすばらしく美しく、
一緒にあの星に連れて行ってもらえた気分です。
主演のノオミさんも素敵。小柄でカワイイ。声もかわいい。
お約束の展開も結構好き。やっぱ迷ってんじゃん!

そして一番すばらしかったのはみなさま一致してんじゃないかと思うんですが…マイケルファスベンダーのあの美しいシーンですよね。
ほんとアイマックスで観てよかった…。あのシーンだけでこの映画の評価はぐいっと上がりました。光るイケメン…最高…。

というわけで、特にストーリーや人類の起源やらについて思い出すようなことは無いであろう映画ではあったんですが、(むしろ気になる点の方が多い)
ほんとに観て良かったと思います。
アイマックスで観れる方は是非アイマックスで。

Azumi Miyaji
Azumi Miyajiのプロフィール画像
グラフィックデザイナ
6

宇宙船の細部にも宿るリドリー・スコットらしさ

このレビューにはネタバレが含まれています。

 リドリー・スコット監督は広告畑出身だけあって、あの『ブレードランナー』の酸性雨がしとしと降る近未来ロサンゼルスのイメージを創るとき、真っ先に街にひしめくビルボード(巨大広告)から思いついたという。つまり、彼の映画は細部まで観逃せないわけだ。
 本作は“人類の起源”への答えを求めるべく、ギリシア神話の神の名を冠した宇宙船プロメテウス号で調査に行くという、いわばダーウィンの進化論をひっくり返すようなエピックな物語だ。人類を創ったのは天使か悪魔か?という深遠なる疑問への、巨匠リドリー・スコットならでは答えが示されている。
 細部という点でいえば、そのプロメテウス号が『エイリアン』のファンならファンならニヤリとせずにいられない「ウェイランド社製」なのが想像を膨らませる。宇宙船乗組員は約2年半に及び冬眠状態のような睡眠を強いられ、航海をする。その睡眠が人体へ及ぼす、多汗や嘔吐などの副作用が初めて描写された映画かもしれない。その直前の寝静まった船内はさしずめ『2001年宇宙の旅』のディスカバリー号船内のようで、不気味ささえ漂わす。ただひとり起きている乗組員デイヴィッドの退屈そうな日常。興じるバスケットボールのバウンド音が船内に不気味に反響している。
『エイリアン』のリプリー、『ブレードランナー』のプリス、『テルマ&ルイーズ』のテルマとルイーズ……。『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』のノオミ・ラパスが、リドリー・スコット印の「戦う女」を演じている。その逞しさにまたも仰天するにちがいない。 

 と某サイトに書いたが、冒頭に登場した白塗りのエンジニアにかなり興ざめしてしまった。ゴジラ映画でゴジラを30分以内に登場させると失敗するがごとくだ。『アラビアのロレンス』のロレンスがもっともSF的に、ぼくには映った。

サトウ ムツオ
サトウ ムツオのプロフィール画像
映画伝道師

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