ハングリー・ラビット

2012年06月16日公開
ハングリー・ラビットのポスター
6

どんな映画

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フリークレビュー
5

負のオーラに包まれるも、悪くない

かつてのヒットメイカー、ニコラス・ケイジ主演のスリラーが登場。「登場」なんて紹介がもったいぶって聞こえるほど近ごろはケイジ主演作が氾濫しており、来週もまた、ニコール・キッドマン共演作「ブレイクアウト」が公開される。

全米興行では何とか初週ベスト10圏内に食い込んだ本作だが、ケイジにかつての集客力はない。借金返済のための安売りが徒となり、スター性はすっかり消失。今やVシネマ俳優レベルの格付けだ。

そんな主演俳優の負のオーラに周囲も毒されてしまったのか、堅実な演出ぶりを見せる職人ロジャー・ドナルドソンも、美しい顔をボコボコにされる熱演を見せるジャニュアリー・ジョーンズも、スキンヘッドぶりが不気味なガイ・ピアースも、まったく評価されないまま全米公開を終えてしまった。

そんな不幸な境遇への同情から応援してあげたい「気分」と「勢い」で書いてしまうのだが、そんなに悪くない映画だ。少なくとも観ているうちは退屈しない。設定は“オイオイオイオイ”とオイがいくつあっても足りない有様だが、キューバ危機を描いた「13デイズ」やスリラー映画の佳作「追いつめられて」で緊迫感あふれる演出を見せたロジャー・ドナルドソンの手腕で手堅いハラハラ感を醸しだしている。

ケイジもいつものケイジだ。オスカー俳優にしてブラッカイマーお抱えの売れっ子アクションスターが演じる必要はカケラもない役柄だが、フツーの役にちょっとしたエキセントリックなスパイスを加えるケイジ節が今回も炸裂している。

どんなに擁護しても「悪くない」以上にはならない映画だが、ポップコーン片手に楽しむには最適。この手の映画がそれでも劇場公開されるのは、日本での人気はまだまだ見限れないケイジの底力ということだろう。

芳賀 健
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映画ライター・編集
6

退屈しなかった

このレビューにはネタバレが含まれています。

 最後まで飽きずに面白く見ていたんだけど、心に何も響くものがない映画だった。夫婦の絆が描かれていたのだが、お互いどのように魅力を感じているのか特に何も描かれていなく、それと同様に全ての登場人物がコマのように配置されているだけのように感じられた。物語の破綻がないのは、そこにのみ念入りに塗りつぶしただけなのではないかと思った。

 性犯罪の恐怖も描いてないし、殺人に対する心の負い目も特に描かれていなかった。そう考えると心ない映画であった。

 ちょっと面白かったのは、一般人のおじさんがニコラスケイジを殺しにやってくる場面だった。素人だからすぐ逆襲されて情報をペラペラしゃべっていた。そういった面を強調して、敵側の混乱なども面白く描いてくれたら人間くさくてよかったのではないだろうか。

古泉 智浩
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マンガ家
6

暴力の連鎖が止まらないアメリカ社会の闇を描く、小粒なスリラー

『マッドメン』のジャニュアリー・ジョーンズがいい。ニコラス・ケイジの妻役であるが、匂い立つような色気は天性のものだろう。彼女を見ているだけで、このサスペンスに「乗れる」のだ。
ニューオーリンズの街が、この映画のもうひとつの主役だ。犯罪多発都市で、どこか排他的で、ブードゥーのような呪術的ないかがわしい香りがただよう街だ。
アルフレッド・ヒッチコック監督作品『見知らぬ乗客』でおなじみの「代理殺人」が、このサスペンスの本流になっている。本作は単純な交換殺人ではなく、法では正当に裁けない犯罪者を「正義」の名のもとに成敗する秘密組織の依頼により、誰かを殺す手伝いをさせられるというものだ。愛する妻が惨たらしい暴行を受け、ニコラス・ケイジ演じる主人公の平凡な高校教師は、その秘密組織から依頼された殺人に手を貸す。ガイ・ピアースがいかにも妖しげで狂信的な組織のリーダーを演じている。だが、半年後、今度はその主人公が組織からも追われるはめになる。その組織の手は警察内にも勢力を伸ばしており、主人公は絶体絶命になる。「空腹のウサギは跳ぶ」という、その殺人の際の不気味な合い言葉が、表題になり、最後の最後まで意味深に登場する。
ニコラス・ケイジが愛する家族のために立ち上がるというシチュエーションはいわば彼の十八番であり、彼の必死の形相が見ものだ。ひとつの暴力がまた違う暴力を生み、暴力の連鎖が止まらないアメリカ社会の闇を描こうといたのだろう。
『史上最速のインディアン』のロジャー・ドナルドソン監督は、この小粒なスリラーをそつなく紡いでいる。だが、いかんせん、プロットが少し弱い。第一、素人同然の者が殺人を起こしていくのなら、失敗がつきものだ。それが思いのほか、うまくいきすぎる。ニコラス・ケイジのアクションも、弱いプロットのせいでどこかぎこちない。

サトウ ムツオ
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映画伝道師
一般レビュー

『ハングリー・ラビット』のカラーレビュー

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