宇宙兄弟

2012年05月05日公開
宇宙兄弟のポスター
6.1

どんな映画

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フリークレビュー
6

「宇宙」である意味が、もう少し欲しかった。

このレビューにはネタバレが含まれています。

これは、こどもの日に公開されて正解の作品かもしれません。
兄弟の絆と、夢をあきらめない力が、美しい映像と豪華なロケ撮影で描かれていて…。

「主人公2人の『心の声』が多くを占めている原作。映画では、それを役者の演技で伝えたかった」という監督の演出は、すごく生きています。
宇宙と地球の離れた場所で、互いに相手の存在を感じながら同じゴールを見つめている。
物理的距離感の果てしなさと、2人の気持ちの寄り添い加減が対比され、絆の強さが「明るい結末」を確信させてくれる。
と、「宇宙兄弟」の「兄弟」の部分はかなり満足させてくれる。

でも、「これ、宇宙じゃなくても成立するんじゃなかろうか」という疑問が、最後に残ってしまった。
「宇宙へ行きたい」と思うようになったきっかけは描かれてはいるものの、その思いの強さが、監督の前作「ひゃくはち」のようには、波となって迫ってこない。
例えば、六太がJAXAのロビーに展示されている宇宙服を抱くように佇むという素敵なシーンも、「なぜ宇宙なのか?」がもう少し描かれていたら、さらにグッと胸をつかんだはず。
終盤の圧倒的なアースライジングの映像も然り。

すべてのシーンが魅力的に描かれているのに、それらが「宇宙」で強く結ばれていないところが残念。
原作では、描かれているんでしょうか?

ただ、やっぱり岡田将生は映画で光るなー。
演技うんぬんではなく、そこに存在することが上手いと思う。

茅野 布美恵
茅野 布美恵のプロフィール画像
会社員
4

月面は甲子園のベンチより近かった

このレビューにはネタバレが含まれています。

森義隆監督の前作『ひゃくはち』は、レギュラーなど望むべくもない落ちこぼれ高校球児の2人が、せめて末席の補欠として甲子園のベンチ入りを果たそうという、ささやかな「夢」を目指す最高のバディ・ムービーだった。
宇宙を目指す兄弟が寄り道しながらもハツラツと夢に向かってつき進むという今作のあらすじを読めば、その類似性から思わず、ふたたびの傑作を期待してしまう。だって、一歩先を行かれる主人公の劣等感まで同じなんだから。

ところが、今回の2人の「夢」には、最後までどうしても乗っかる気になれなかった。

言いたいことは星の数ほどあるが、もっとも気になったのは「距離感の無さ」。これは宇宙を語る物語として致命的じゃないかと思う。もちろんその“距離”には、NASAや宇宙といった物理的なものだけではなく、精神的なものも含まれる。
たとえば『ひゃくはち』ではケータイがへし折られることで公衆電話の名シーンが生まれた。それは少年と電話の向こうにいる肉親との距離感をいっそう際立たせ、ドラマを増幅させた。また、レギュラー入りした仲間とベンチ入りも叶わない主人公にとっては、同室に並ぶベッドの間にも越えられない距離感が横たわり、胸が締めつけられた。
ところが『宇宙兄弟』では、日本でくすぶる兄とNASA入りした弟が気軽にケータイで軽口を叩き合い、劣等感に躊躇することもなくホイホイと会いにゆく。最初から理解のある面接官や仲間とあっという間に近しくなったと思えば、何もかもが良い方に転がり難なく難関を突破、あれよという間に兄弟仲よくNASAのロケットに乗り込んでいってしまった。

高校球児から宇宙飛行士にスケールを広げ、宇宙という遥か彼方に「夢」を設定しておいてこの距離感の無さ。確かにこの映画の公開日、夜空に輝くスーパームーンはやけにデカかったけど、まさか月面は甲子園のベンチより近いのか。

田中 啓一
田中 啓一のプロフィール画像
詩人だねぇ
7

偉大な原作のエッセンスを汲む佳作

※まず最初に断っておくと、個人的に映画の原作は今まで読んできた何百冊という漫画の中でも1番好きと断言できるほどのファンなので、公平なジャッジはできません。哀しいかな、すべては原作との比較になります。

主人公2人のキャスティングとともに映画化が発表された当事、偉大な原作をどんだけ汚してくれるつもりなんだと憤ったが、意外や意外、悪くない。

とくにムッタを演じた小栗旬。ムッタとは違う個性でユニークな主人公像をつくりあげた。トボけた魅力は主人公の劣等感や夢に親近感を生み、エールを送る気持ちへとつながっていく。

原作で描かれる兄弟の絆、そして宇宙にはせる想いもソツなく描かれている。主人公たちの思いが周囲を巻き込んでいくあたりもきちんとフォローしていて好感。ラストには賛否両論あるだろうが、原作が完結していない中での着地方法としては許容範囲内か。

正直、鑑賞後感は一言で表すなら「安堵」だ。素晴らしい出来とは言い難いが、原作ファンにも勧められる出来にはある。

ただ、声を大にして言いたいのは、
「原作漫画は映画の100倍面白い!」
あと、
「アポは100%アポだった!」

芳賀 健
芳賀 健のプロフィール画像
映画ライター・編集
6

「宇宙へのロマン」という一本どっこな脚本が買える!

小生、漫画の映画化には大反対である。故・手塚治虫先生が映画をヒントにカット割りを編み出し現在のような日本の漫画は誕生したのです。いったんビジュアル化された漫画(動く絵)を、映画(動く写真)にして、何がおもしろいんだ? よって、漫画の映画化作品にはとても辛口なのだが、この映画の脚本は一本どっこで、「宇宙へのロマン」という主題をぶれさせていないところに好感がもてた。クリート・イーストウッド監督・主演の「スペース・カウボーイ」に匹敵する荒唐無稽さも、たのしい。詳しくは、eiga.comの新作映画評論を! 

サトウ ムツオ
サトウ ムツオのプロフィール画像
映画伝道師

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